怪盗舞月夜WINGただいま参上♪
「権利書を奪われたんだよ…。」
癒麻に代わりに、樹が答える。
「権利書?権利書奪われたんなら、届けを出すだろ?」
悟は樹に向き直る。
「出してるわ。その報告を上の人達が、隠したのよ…。」
「なんのために…?」
悟の問いかけに、癒麻の表情が曇る。
「…どうかしたの?」
「会社の権利を奪うために決まってるだろっ!!」
樹は声を上げ、テーブルを叩く。
テーブルの上のお茶がこぼれる。
「どうしてそんなことする必要があるの!?」
「…上層部に恨みを持った奴がいるらしい。」
癒麻は黙ってテーブルの上を拭く。
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