怪盗舞月夜WINGただいま参上♪
「何が原因なの?」
癒麻は湯のみをトレイに乗せる。
「理由が分かんねーんだよ…。」
「どういうこと?」
「恨まれてる理由がはっきり分かってないのよ…。」
今度は癒麻が口を開く。
「恨まれてる理由が分からないって…?」
悟は、思わず頭を抱える。
「ただ権利書を奪われた人のことがあるから、ほっとくわけにはいかないわ。」
「……え?」
「俺達が知ってる奴の親なんだよ…。」
「知ってるって…?」
癒麻はトレイを持って立ち上がる。
部屋から出る時に小さく言った。
「亜衣ちゃんのお父様の会社よ…。」
「え……?」
悟は何も言えず、癒麻の背中を見ていた。
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