怪盗舞月夜WINGただいま参上♪
『それは…っ!!』
「樹だけじゃない…。僕にはおじ様もおば様も、おばあ様だっていてくれる…。
最近は悟くんだって……。」
癒麻は、言葉が続かなくなった。
『癒麻…。』
「そ…っ、それに、亜衣ちゃんとだって仲良くなってきたじゃないっ。」
癒麻は笑ってみせたが、癒麻の瞳には涙が溢れていた。
「あの傷なら、気にしないで…、樹……。」
癒麻は、唇を噛みしめていた。
「でも、怖いの……。あの時のことを口にするのは…。
今でも思い出しただけで、傷が疼くわ……。」
癒麻は自分の膝を抱きしめるように、顔をうずめた。
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