怪盗舞月夜WINGただいま参上♪
『ん?』
「あの時、樹は助けてくれたわ。
樹がおじ様やおば様に知らせてくれなかったら、僕はあのまま見つけてもらえなかったもの…。
樹が助けを呼びに行ってくれなきゃ、僕は今ここにいなかったのかもしれない…。」
癒麻は、溢れる涙を抑えずにいられなかった…。
(もしかしたら、お父様やお母様のように…。)
『癒麻……。』
癒麻は、“あの時”のことを思い出していた。
『癒麻ちゃん…っ!!』
当時3歳だった癒麻と樹。
崖下に落ちた癒麻に樹は泣いて叫んでいた。
呼んでも返事をしない癒麻。
樹には、不安が募るばかりでいた。
< 135 / 293 >

この作品をシェア

pagetop