怪盗舞月夜WINGただいま参上♪
『樹、飛ばされないように近くの木に掴まってろ!!』

『なぁーにっ!?お父さんっ、聞こえない!!』
樹は手を耳に当てて、体を乗り出す。
『樹!!危ないっ、体を乗り出すな!!』
章治は顔を青ざめて、叫ぶ。
『なぁに!?お父さん、聞こえないよ!?』
『バカ!!それ以上前に出るな!!』
章治が叫ぶのと、樹の体が前に傾くのは同時だった。
『樹!!』
章治の前で落ちそうになったその時…。


『……っ!?』
樹の体は前のめりになったまま止まっていた。
『大丈夫ですかー!?』
樹の後ろから男の声が聞こえた。
樹は引き上げられて、誰かに抱きかかえられる。
< 139 / 293 >

この作品をシェア

pagetop