怪盗舞月夜WINGただいま参上♪
『この子を先に引き上げて、病院に運びます。
お父さんは少し待ってもらっても良いですね!?』
『はい、お願いします!』
癒麻を抱いた救急隊は、ロープを体に巻き、上へと上っていく。
『お父さぁーん…っ!』
樹は泣きそうな顔で、章治を見る。
『樹、男だろ?泣くんじゃない。
癒麻ちゃんについててやれ。
お父さんは後から、お母さんと行くから安心しろ。』
章治の言葉に樹は涙を堪える。
『…っ!!僕も行くっ!!』
樹は救急隊の足を引っ張った。
『乗るかい?』
『うん!!』
『おい、この子の足…。』
他の救急隊員が樹の足に気づいて、小声ではなしかける。
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