怪盗舞月夜WINGただいま参上♪
何もない、何も出来ない…。
不安だけが残る無空間で、癒麻は泣くだけしか出来なかった。
その時、癒麻の背後に人の気配を感じた。
『……。』
浮かび上がる白い影。
一人ぼっちで、不安になっていた癒麻は影に走り寄る。
『お父様、お母様…っ。』
癒麻は、影に向かって手を伸ばす。
でも、影には一向に近寄れない。
『待ってください!お父様、お母様…っ!』
また悲しくなってきた癒麻の瞳に涙が溢れる。
どこまで走っても、近づけない影…。
影が止まった。
『……っ!』
嬉しいはずなのに、さらに不安になる。
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