怪盗舞月夜WINGただいま参上♪
悟は、繋いだ手に力を込める。
「……はい。」
癒麻は安心したように、悟に笑いかける。
「出来れば俺の傍にずっといて欲しいけど…。」
顔を背け、鼻を掻きながら小さく呟いた悟の声が聞き取れず、癒麻は不思議そうに悟を見た。
「…え?」
「あ…、なっ、なんでもない。」
悟は慌てて手を離して、上履きに履き替える。
「なにやってんだ?お前ら!?
チャイム鳴るぞっ!!」
「あっ、はぁーいっ!!」
癒麻も、返事しながら上履きに履き替えた。
「行こ?」
差し出された悟の右手を、癒麻は取って樹と共に歩き出した。
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