怪盗舞月夜WINGただいま参上♪
『兄貴、癒麻さんの候補に決まったって!?』
癒麻の寝顔を見つめながら、悟は車で聞いた哲平の言葉を思い出していた。
(聞くなら今しか無い…よな…。)
悟は頭を撫でる逆の手を、力を込めて強く握った。
「樹…。」
お互い背を向けたように、立っていた樹に悟は話しかける。
「なんだ…?」
「教えてほしいんだ…。さっき、車で聞いた『候補』のこと…。」
小さく呟く悟の言葉に、樹は強く唇を噛みしめる。
しばらく二人の間に沈黙が流れる。
「…聞かれると、思ってたぜ…。
いつかは、お前にも話さなきゃいけないのは最初っから解ってた…。」
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