怪盗舞月夜WINGただいま参上♪
「…はい。」
癒麻の返事と共に樹は軽く空を睨み上げる。
(今は仕事が優先だ。必ず成功させてみせる…。)
「教室行こうか…?このままじゃ遅刻だ。」
悟は腕時計を見て、二人に声をかける。
「ええ、そうね…。もうギリギリだわ…。」
癒麻も悟の腕時計を見る。
ドキン!
いきなり近づいた癒麻の顔に、悟は赤くなった顔を背ける。
「…。行くぞ、癒麻。」
「あ…、はい。」
樹に促されて、癒麻も歩き出す。
「あ…っ、癒麻ちゃん…っ。」
悟は歩き出す癒麻の腕を掴んで引き寄せる。
「え…?」
いきなり腕を引き寄せられた癒麻は、その反動で悟の腕の中へと倒れ込む。
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