怪盗舞月夜WINGただいま参上♪

樹は思わず歯を食いしばった。
「癒麻…。いるかい？」
ゆっくりとした優しい口調の男の声が部屋の外から癒麻を呼んだ。
「おじい様？」
癒麻は立ち上がって襖を開いた。
そこには七十半ばになりそうな人の良さそうな白髪の男が立っていた。
「じいさん!?」
樹も驚いて立ち上がる。
「おじい様。起きたりして大丈夫ですか？」
足の悪い男…。
癒麻と樹の祖父・総十朗の左側から癒麻は手を貸す。
総十朗の右側へと走り寄った樹は右腕を肩にかけ、ゆっくりと歩き出す。
「今日は体の調子も良くてね…。
癒麻と樹のお友達が来てるって聞いて挨拶しようと思ったんだよ。」