ラララ吉祥寺
「あ、木島さん?
なんかもう退院手続きも済んだみたいで……。
え、あ、はい。
じゃさっきの入口で待ってます」
直ぐに車を回してくれるという木島さんを、芽衣さんと二人で待った。
長期入院を覚悟して作ったわたしの荷物は、大きめのボストン一杯。
結構な重さだ。
「芽衣さん? 荷物もちましょうか?」
「文子さん、わたしが妊婦だからって気を使わないでください!
これくらいの荷物、自分で持てます。
まだそんなにお腹も目立たないし、気持ちの上でも実感ないんですから」
身構えてる態度が半端ない。
「でも……、だからこそ大事にしないと。
思わぬところで無理をして、身体にさわったら大変ですよ」
わたしには、そんな芽衣さんが痛々しくて仕方なかった。