ラララ吉祥寺
「芽衣さんは少し休まれますか?」
二人して家に入ったけれど、わたしは芽衣さんにどう接して良いか戸惑っていた。
だから、昨晩眠れなかったという芽衣さんを気遣って声をかけたつもりだったのだけれど。
「文子さん、そんな腫れ物に触るような扱い止めてください。
聞きたいことが山ほどあるってわかってます。子供の父親のこととか、これからのこととか……。
わたしだって、ここでお世話になる以上、お二人にはある程度の事情はわかっていて頂いた方が良いと思ってます」
切羽詰まったように言い捨てられて、わたしは腹を括った。
「じゃ、座ってお茶でも飲みましょうか? まだお昼には間がありますしね」
わたしは詮索するのは好きじゃない。
でも、そんなわたしの一歩下がった態度が彼女を傷つけていたのだとしたら。
彼女の気持ちを解すには、彼女の話を聞くことが必要なのかもしれないと思った。