ラララ吉祥寺
「フレーバーティーなんてどうですか? マンゴーかアップル?」
わたしはケトルを火にかけるとお茶の用意を始めた。
「いいですね、じゃ、わたしマンゴーがいいです」
気持ちを落ち着かせる為には、甘い香りのフレーバーティーがもってこいだ。
いつもはミルクティーが好みだけれど、これはストレートが美味しい。
わたしは芳しいマンゴーの香りを一杯に吸って、綺麗に澄んだ紅茶を一口ふくんだ。
目の前の彼女も、どうやら紅茶の香りで気持ちを落ち着けたようだ。
「では、芽衣さんの恋の話を聞かせて頂けませんか?」
わたしの問いかけに、芽衣さんは小さく頷き、目を伏せたまま話を始めた。