ラララ吉祥寺

「わたし、十五の時から彼に恋をしていたんです。

彼はわたしより五つも年上で。

とても近しい人だったので、いつまでたってもわたしのことは子供扱いで。

大人になっても、わたしを恋の相手としなんて全然見てくれなくて。

ずっと片思いしてました。

彼は普通に優しいし、わたしのことを大切に思ってくれているのもわかっていました。

でも、わたしもう二十八ですよ。

彼は三十三だし。

二人の関係がこのままうやむやのうちに流れていきそうで不安で。

彼がわたしを子供扱いすることが納得できなくて。

だから、あの日、わたしは賭けに出たんです。

彼をお酒に誘って、いっぱい飲ませて。

少し気が緩んだところを狙って関係を迫ったんです」


彼女はそこまでを一気に話した。
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