ラララ吉祥寺

6月の出産予定日だから、半年は育児出産休暇を取る。

4月の公立保育園入園を視野に、1月から認可保育園へ子供を預け就業を開始する。

そういう積み重ねが、点数として反映されるのだとか。

近隣の評判のいい小児科の話に、子供同伴が可能な飲食店の情報。

出産可能な産院が少なくなっていること。

なので早めに出産予約を取る必要があることとか。

「そうそう、この近くに0123吉祥寺っていう武蔵野市の子育て支援施設があるそうですよ」

「あぁ、それって幼稚園跡にできたあの施設のことかな?」

昔、確かそこに幼稚園があったと記憶していた。

少子化のあおりで閉園となり、その跡地に小奇麗な建物ができたのだ。

子供のいないわたしには馴染みの薄い施設ではあるが。

「子供を連れて遊びに行けて、親同士の交流も図れるって。

園庭では夏、水遊びもできるらしいよ」

「木島さん? なんでそんなに詳しいんですか?」

「みんな受け売りです。

商店街のおばさん達の。

ほら、基本、商店街は家族経営が多いでしょ。

子供を保育園に預けて、夫婦で店番っていうのが普通ですからね。

色々聞いたんですよ、みなさんに。

西荻と吉祥寺じゃ公官庁のくくりが違うから一概には言えませんけどね」

参考にはなるでしょう、と木島さんはその種明かしをしてくれた。

「知り合いがワーキングマザーになるって言ったら、みんな親身になって情報をくれました。

僕も色々聞けて勉強になりましたよ。

働く女性は大変ですね」

彼女達の生活力には脱帽ですよ、と苦笑い。
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