ラララ吉祥寺
「じゃ、文子さん、お先にお休みなさい」
入浴後、居間に芽衣さんが声をかけにきたくれた。
わたしは八時過ぎに送られてきた仕事のファクスの対応に追われ、お風呂を逃してしまったのだ。
洗い物も芽衣さんが代わりに済ませてくれた。
「三日は有給とったので、暫くのんびりします」と、わたし達を安心させてくれた芽衣さんだけれど。
「この休みで、色々下調べしとかないと」と、ただ家でゆっくりする気はないようだ。
不安は早めに払拭しておくのが得策だ。
万事策を練っておけば、焦ることもないのだから。
それでなくても、この先、何が起こるかわからない。
「さぁて、後は明日に回そうかな……」
大きく伸びをして、筆を置いた。
「文子さん、ちょっといいですか?」
何故か絶妙なタイミングで木島さんが居間に顔を出した。