ラララ吉祥寺
「あ、はい」
わたしは身構えて、机の上を片付け出した。
「いや、そんなかしこまった話じゃないんだ。
芽衣さんのこと。
今日敢えて出産や子育ての話をしたのは、一人で思い悩むよりは、オープンにした方が良いと思ったからなんだ。
困ったこととか、悩み事とか。
可能性を限りなく広げて行き詰らないようにするのが僕達の役割かなってさ。
文子さんはどう思う?」
木島さんはドアを背にもたれて立ったままそう言った。
「わたしもその考えに賛成です。
恋の話はわたし達じゃどうにもできないですけど。
子育てに関しては手助けはできますからね」
全くもって同感だと思ったのだ。
「良かった。
ということで、僕は積極的におせっかいを焼くことにします」
文子さんも気づいたことがあったら、何でも言ってくださいね、と言い置いて木島さんは二階に上がっていった。