ラララ吉祥寺

「母もそうでしたけど、母子家庭でも正社員の職があればなんとかやっていけると思いますよ。

だから、仕事はなるべく続けてください。

その為のお手伝いは何でもしますから」

母の子育ても、やっぱり手探りで始まったのだろうか?

「文子さん……」

「一番たいへんなのは、やっぱり芽衣さんなんですし」

どんなに頑張ってもわたしが母親の代わりになることはできない。

「わたし……、頑張ります! 母は強し!、ですよ」

拳をギュッと握り締め、ガッツポーズを決める芽衣さんを複雑な気持ちで眺めていた。

「じゃ、気分盛り上げる為にも、買い物行きましょうか」

お腹も一杯になったことだしね、とわたしは腰を上げた。

「はい!」

やっぱり形から入らないと気分も乗りませんよね、と芽衣さんが笑って言った。

木製幼児玩具や知育玩具の店、マタニティ&子供服、キッズの床屋やヘルシーフードの店。

吉祥寺中を探索し、色々なお店を覗いて、わたし達は両手に抱え切れんばかりのマタニティーウエアとベビー用品を持って帰宅したのだった。
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