ラララ吉祥寺
その夜、わたしはまた夢を見た。
「蛙の子は蛙だな」
母とわたしを蔑む冷たい目。
強張る身体。
下腹部に覚えた鈍い痛み。
次の瞬間、身体の中身が根こそぎもぎ取られるような強い力が腹をえぐった。
「やめて……、わたしからこの子を取らないで……」
必死にお腹を押さえるも、身体中から力が抜けていく。
「いや……、いやぁぁ……」
目覚めた後も、下腹部の痛みの感覚がさめなかった。
あの時の虚無感が蘇る。
あんなに足掻いて守ったつもりだったのに。
結局、わたしにはなんにも残らなかった。
わたしは……、
芽衣さんが羨ましいのかもしれないな。