ラララ吉祥寺
木島さん
芽衣さんが出勤の土曜日、珍しく木島さんが休みをとって家にいた。
今日は車でお米と常備野菜の買い物に付き合ってくれるという。
ついでにベビーカーの下見でもしましょうか、と提案してきた彼にわたしは少し戸惑いを見せた。
「なんか気になることでも?」
心配そうに問いかけてくれた木島さん。
わたしはずっとモヤモヤしていた自分の気持ちを口に出した。
「いえ、そうじゃなくて……。
わたしの気持ちの問題なんです。
説明するのが難しいんですけど……。
芽衣さんの赤ちゃんは自分のことのように嬉しいんです。
でも……、反面妬ましくもあって……」
「随分と正直ですね」
木島さんが少し驚いてわたしを見た。