ラララ吉祥寺

それから車で武蔵境のイトーヨーカドーへ買い物へでかけた。

お米とじゃが芋、人参、玉葱、キャベツなどの常備野菜。

サラダ油、小麦粉、砂糖など重い物。

お酢やケチャップ、マヨネーズなど調味料のストック。

そしてかさばるトイレトッペーパーと箱ティッシュ。

これだけ別に買っておけば、普段の買い物が格段に楽なのだ。

「ついでにバギーも見ていきましょう」

そう促されて上階へ上がった。

売り場には、国内メーカーに混じって外国製のおしゃれな製品も並んでいた。

今はコンパクトなものより作りのしっかりしたものが主流なようだ。

「いろいろあるんだな。値段もまちまちですね」

さっきのわたしの拘りなどまるで無かったかのように、木島さんはバギー売り場を、荷物を乗せたカートを押しながら練り歩いた。

わたしは黙ってその後に続く。

うんうん、この色、芽衣さんっぽいな、とか。こんなデザイン、芽衣さんが好きそうだ、とか。

いつの間にか、自分のわだかまりなど何処かへ吹き飛んで、わたしの頭の中はバギーを押してにこやかに笑う芽衣さんのイメージで一杯になっていた。
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