ラララ吉祥寺

「それにしても重そうですね、そのお腹」

「体重増加には気をつけてたつもりだったんですけど、最後の一月で倍になるって、ほんとなんですね」

ふうっ、と大きな息を吐きながら芽衣さんがせり出たお腹を抑えながら椅子に座った。

「赤ん坊が3キロとして、羊水を合わせても5キロでしょ。

残りの5キロはわたしの肉として残るってことですよね」

はぁ、と芽衣さんは今度は大きな溜息をついた。

「授乳と寝不足で直ぐ元に戻りますよ」

わたしは本で得た知識で芽衣さんを励ました。

「弦、大分伸びましたね」

「うん、もう直ぐ二階まで届くと思うよ。

そうすれば二階も大分涼しくなるんじゃないかな」

緑のカーテンなんて素敵です、と芽衣さんが目を細めた。


不安が無いと言えば嘘になる。


一人で子供を産み育てるのは想像以上に覚悟のいることだし。

始めての出産はわからないことだらけで手探りだし。

それでもなんとかわたし達女二人が平静を保っていられるのは、木島さんがいるからかもしれない。

いざという時の心強さかな。
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