ラララ吉祥寺
「っ……、いたっ……」
「えっ? 芽衣さん?」
「ち、ちょっと張ってきたみたい……です」
「えっ? 予定日まで一週間もあるのに?」
「予定日はあくまで目安ですから」
ふうっ、と大きく息を吐いて芽衣さんが立ち上がった。
「痛みの間隔短くなるようなら病院いかないと。文子さん時間見ていてくださいね」
「あ、うん、わかった」
急にわたしは気持ちが慌て出した。
えっと、病院の電話番号と、芽衣さんの入院荷物と。
そうだ、木島さんにも連絡しなくちゃ。
あっちへうろうろ、こっちへうろうろするわたしをソファーに横になった芽衣さんが面白そうに眺めていた。
「文子さんてば、わたしより慌ててますね。まぁ、お陰でわたしが落ち着いていられます」
昼間はそのまま痛みが引いて、何事も無く入浴を済ませて床に就いた芽衣さんだったのだけれど。
その時は、意外と早く訪れた。