ラララ吉祥寺
病院に着くなりストレッチャーに乗せられた芽衣さんは、直ぐに分娩室へと連れて行かれた。
「木島さん?」
「破水もしているし、多分もう直ぐ生まれますよ」
「木島さん?」
わたしはもう一度彼の名を呼ぶと、身体の震えが止まらなくなってしまった。
「文子さん?」
「あ……、わたし今頃震えがきました。
あぁ……、木島さんがいて良かった。
わたし一人だったらオロオロするばかりで……」
「大丈夫、無事生まれますよ」
次の瞬間、わたしはそう呟いた木島さんに抱きしめられていた。
ゆっくりと大きな手で頭を撫でられ、次第に気持ちも落ち着いていく。
次第に震えも収まっていった。
大きな木島さんの胸に顔を埋め、わたしはすっかりあやされる子供状態だ。