ラララ吉祥寺
そして、わたしは……、そのまま眠ってしまったようだ。
薄れ行く意識の中、わたしの身体は解放されて宙に浮いていた。
母の胎内に宿されたような、心地よい温もりと安心感。
それが彼の腕の中なのだと、わたしにはわかっていたのかもしれない。
「おやすみ……、文子……」
額に感じた微かな温もりと、木島さんのそう囁く声が聞こえたような……。
目が覚めると、わたしは自室のベットに横たわっていた。
熟睡したせいか、すこぶる調子が良くて。
時計を見ると、既に九時を回っていた。
わたしは慌てて、ベッドから飛び起きた。