ラララ吉祥寺

だから考えた。

この先、わたしの少ない収入で今の生活を維持するための最善の方法を。

今まで家に半引きこもりで暮らしてきたわたしに、外で職を求めろというのはストレスが半端ない。

第一、超が付くほど無愛想なわたしに、コンビに店員であれ接客業は不向きと言える。

ガテン系で清掃業?

いちおうの料理経験を生かして厨房調理?

頭が痛くなった。


そこで閃いたのが、部屋を貸す、という名案だったのだ。


幸い、母の荷物を片付ければ、二階には空き部屋が二室できる。

居間と食堂、浴室トイレは共同で部屋だけを貸す。

昔でいえば下宿屋。今風に言い換えればシェアハウス。

この際、他人と同居するという息苦しさは我慢しなければならないだろう。

人物本位。

同居に足る必要最低限の条件を満たした者を受け入れる。

後先考えている余裕はないぞ。


そう決心しての呟きだったのだ。
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