ラララ吉祥寺


「木島さん、なんで芽衣さんの兄だってわかるんですか?!」


わたしはただ驚くばかりで、木島さんに詰め寄った。


「昔、こいつから話を聞いたことがあるんです。

芽衣って、可愛い妹がいるってね。

それに、花岡なんて苗字、珍しいでしょ。

芽衣さんに会った時から、もしかしたらって思ってました。

彼女が未婚の母になるってわかって、兄のこいつも心配してるだろうなと。

いつか姿を現すに違いないって確信してたので」


ってことは……、彼が芽衣さんのお相手だってことは知らないってことだよね。


一気に重圧がわたしに圧し掛かった。


この兄という人が、今、芽衣さんをどう思っていて。

芽衣さんのとった行動に、どう反応するのか。


この爆弾をこの家に持ち込んだ木島さんに悪意が無いのはわかっていても、その破壊力を思うと足が震えた。
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