ラララ吉祥寺
一人目:花岡芽衣

わたしは昼食を納豆かけご飯で軽く済ませると、木曜締め切りの雑誌のイラストを仕上げるべく机に向かっていた。

と、その時、待ちに待ったスマホがわたしのジーンズのポケットの中で震えたのだ。

いや、期待し過ぎるのは良くない。

大方、どこかのメルマガ着信に違いない。

わたしは逸る気持ち抑え、それでも一応確認を、とスマホを取り出した。

画面を見て、わたしの心は喜びに踊った。

メール着信一件。

From:twitter
To:sazen
Sub:meiさんからツイートがあります

ツイッターを開いた。


『下宿希望未婚女性定職有家事全般良好奇癖アレルギー無連絡請』


と、わたしと同様の意味不明なメッセージが現れた。


なんてこった。

わたしの心は小躍った。

多分彼女はわたしのことを理解してくれている、と確信したのだ。
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