ラララ吉祥寺


わたしは男としての木島さんを試したのだ。


酔って芽衣さんを抱いた花岡さん。

結局は男の欲に負けただけじゃないかと、木島さんが彼を庇うのが納得できなかったのだ。

だから、わざと木島さんを挑発して。

昨夜もし、木島さんがわたしを抱いていたら、わたしは彼を信じられなくなったかもしれない。

彼にはきっと、そんなわたしの心の内がお見通しだったのだ。


う~、でもやっぱり納得できない。


木島さんは辛うじてわたしの信頼を失わずに済んだけれど。

一般の男という人種はどうなのよ、花岡さんもその一般的な男の一人に入るって事じゃないの?

釈然としない気持ちのまま、わたしは木島さんの待つ食堂へと降りていった。
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