ラララ吉祥寺
わたしは彼の隣りに駆け寄った。
何食わぬ顔で赤ちゃんを眺める木島さんの隣りに立って、上を見上げて問いただす。
「脅かし過ぎじゃないですか? もう来ないかもしれませんよ」
多少咎める気持ちを込めて。
「そりゃないだろ。あいつはきっと明日もくるぞ」
全く悪びれず、笑って木島さんは言った。
「何て言ったんですか?」
「花岡俊一、お前の息子だ、って。
それだけさ」
少しは実感湧いただろ、と木島さん。
確かに、どんな脅しの言葉よりインパクトがあるかもしれないと思った。
「さ、芽衣さんに会いにいきましょうか」
一応事情を説明しておかないとね、と少し真面目な顔付きになった木島さんがわたしの手を取った。