ラララ吉祥寺


気がついたら隣りに木島さんが座っていた。


「ハハ……、やっと起きた。

家が真っ暗なんで、逃げられたのかと思いましたよ」

わたしは驚いて飛び起きた。

「えっと……、あ……、夕ご飯!」

「もう用意はできてるみたいだし、食べますか?」

「木島さんこそ、お腹空いてるでしょ」

「お腹だけ満たされても、文子さん、貴方がいなけりゃ意味がないです」

「えっ?」

忘れたとは言わせませんよ、と木島さんはわたしの額に軽く唇を当てた。

「言ったでしょ、今夜は攻めるって」

そう言って木島さんは笑った。


なんとわたしは二時間も寝ていたようだ。

既に時刻は八時を少しまわっていた。


恐るべし木島さん効果。
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