ラララ吉祥寺
「今の木島さんからは想像できません」
「だとしたら、僕も成長したのかな」
「成長?」
「魂は成長し続けるんです。死ぬまでね。身体は老いるばかりだけど」
「年寄り臭いです」
「失礼だなぁ。
僕はまだまだ成長期ですよ」
「魂のでしょ?」
確実に体重は増えてます、なんて真面目な顔で言う木島さんに笑ってしまった。
お皿を洗い終えたわたしが向かったのは、木島さんの腕の中。
差し出された手に、抗うことなどできなかった。
この手をとったら、木島さんを手に入れることができるのだろうか?
この選択が間違っていたとしたら……
それでも彼の温もりを求めるわたしがいて。