ラララ吉祥寺
もぞもぞと、わたしは布団から這い出して床に散らばった服の中から下着を探す。
スウェットとTシャツにパーカー。
脱ぎ散らかされた服を掻き集め、身につける。
手櫛で髪を整え、階段を下りた。
一応服は着けたけれど、ついさっきまでの状況を思い浮かべれば、それでもなんだか恥ずかしかった。
居間のソファーには、木島さんの予想通りに花岡さんが座っていた。
木島さんはその対面に、胡坐をかいて厳しい面持ちで座っていて。
「文子さんはここへ」
そう促されてわたしは木島さんの隣りに正座する。
「で、花岡、二度と来るなと言われたお前がここに居るってことは、それ相応の覚悟があってのことだよな」
いきなり厳しい口調で驚いた。
「勿論です。
今日、子供にも会って覚悟を決めました。
芽衣と結婚して三人で暮らします。
会社は海外赴任の話を断った時点で出世街道からは外されましたし。
折を見て、僕も独立しようと思っています。
芽衣と二人で輸入雑貨と衣料のセレクトショップなんていいんじゃないかな……」
「バカヤロウ!!!」
昨夜に引き続き、木島さんの罵声が飛んだ。
少しだけ頬を上気させて花岡さんが話すその先を制して、木島さんが喝を入れたのだ。