ラララ吉祥寺

「じゃ、行ってきます。

今日は時間的にお見舞いは無理なんで、芽衣さんに宜しく伝えてください。

明日、何時頃迎えに行ったらいいか確認しておいてくださいね」

触れるだけの軽いキスをして、木島さんは出かけていった。

なんだか、ほんわり夢見心地のわたし。

新婚気分って、こんな感じなのかも、なんて思っただけで顔が熱くなった。


文子、気が早いぞぉ、と自分で自分に喝を入れる。


まだまだ木島さんとの関係は始まったばかり。

期待し過ぎると馬鹿を見る。


身支度を整えて病院へ。

昨日は木島さんと一緒だったので、女同士の話は遠慮したから。

いろいろ、いろいろ、話したくてドキドキしていた。

芽衣さんはわたしより随分年下だけど、とてもわたしのことをわかってくれていると思う。


わたしはどうかなぁ。


芽衣さんのこと、ちゃんとわかってあげられているだろうか。
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