ラララ吉祥寺
「今度はわたしから質問。
文子さん、わたしが居ない間に木島さんと何か進展あったでしょ?」
昨日も手繋いでたじゃありませんか、と芽衣さんが突っ込んできた。
「気がついてたんだ」
そりゃぁ気がつきますよ、と芽衣さんが嬉しそうに言う。
「ま、わたしが居たら、進展するも何もないですよね。
俊一を連れて帰ったら、更にお邪魔虫が増えちゃうし。
せいぜい今のうちに仲良くしといて下さい」
お二人お似合いですもの、応援しています、なんて言ってくれた。
「でも、お二人が結婚、なんてことになったら、わたし出ていかないといけないのかなぁ」
「そ、そんなの、そんな先のことまだわかんないよ!
芽衣さんはそんなこと気にしないで、子育てに専念してください」
わたしは慌てて芽衣さんの言葉を否定した。
「じゃ、明日十時に迎えにきますね」
「宜しくお願いします。
届けに必要なものは揃っているので、市役所に直行で。
その後、少し買い物付き合ってください。
清浄綿とか、綿棒とか、紙おむつとか、いくつか買い足したいものがあるんで」
「はい、木島さんにも伝えます」
そしてわたしは病室を後にした。