ラララ吉祥寺
「芽衣、悪かった。
俺が不甲斐ないばっかりに、お前に悲しい思いをさせてしまって。
直ぐに許して貰おうとは思わない。
だけど、これだけは信じて欲しいんだ。
俺はお前を愛してる。
妹してではなく、一人の女性として、お前が必要なんだ」
花岡さんの必死に紡ぐ言葉に、聞いてるわたしも胸が熱くなる。
「そんなの嘘! だって、あの時……」
それでも芽衣さんが、俄かに信じられないのは仕方のないことかもしれない。
「酔った勢いでお前を……。
だから俺が信じられなくて家を出たんだろう?
……悪かった。
でも……、俺から逃げないで欲しい。
お前の居ない生活にはもう耐えられない。
お前と子供に責任を持ちたいんだ」
そう言って、花岡さんは大きく頭を垂れた。
「俊夫、さん?」
芽衣さんは彼の様子に驚いたのか、チラリとわたしの方を盗み見た。
わたしは彼女を安心させたくて、笑って小さく頷いた。