ラララ吉祥寺
「お~い、せいね~ん、
お好み焼き焼けたぞぉ~
くわねぇかぁ~」
階段下から大声で呼んだ木島さんの声に、二階の影山くんから反応は返ってこなかった。
まぁ、素直に下りてくるとは思えないけどね。
「仕方無いな、文子さんお願いします」
廊下から振り向いた木島さんが、わたしを手招きした。
「えっ? わたし?」
「奴は家主の貴方の言うことなら絶対聞きますよ。僕が請合います」
「そんなもんですかね」
「ああいうタイプはそんなもんです」
木島さんに背中を押されて、わたしは渋々階段を上っていった。