ラララ吉祥寺

「ほら、これ、寝袋。青年に貸してやりましょう」

寝袋を手に出てきた彼は、そのまま影山くんの部屋のドアを叩いた。

「青年、寝袋あったから貸してやる。

ネットカフェとは違って、一軒家の夜は結構冷えるぞ。

有り難く借りておけ」

すると、カチリと開いたドアの隙間から手だけがニュッと現れた。

「ほい」

木島さんが差し出した寝袋を、その手は素直に受け取った。

「ちょっと寒いなって思ってたとこ。有り難くお借りします」

「お休み」

「お休みなさい」

丁寧な挨拶と共に扉は静かに閉めれらた。

きっと、急に一人になって寂しさと寒さが一気に襲ってきたのかもしれない。

今日はこのままゆっくり眠れると良いのだけれど。
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