ラララ吉祥寺
「ただいまぁ〜」
「「おかえり」」
買い物を終えて家に戻ると、そろって振り向いた二人の男。木島さんと拓馬君。
いつもより早く帰宅した木島さんは、拓馬君と一緒に俊一君の世話をしていたらしい。
彼にしてみれば、子守りをしている拓馬君のお守りをしているつもりなのだろうけれど。
「文子さん、こいつちょっと熱っぽいみたいなんですけど見てやって貰えますか?」
「えっ? どっち?」
「こっち、拓馬ですよ」
木島さんは彼のことを拓馬と呼び、とても近しい位置を保っている。
そう言われて見れば、少し顔が赤いような……
「マズイじゃない、俊一君にうつったら大変よ!」
「えぇ〜、そっちの心配ですかぁ、酷いな」
不貞腐れたその額に軽く手を当てた。
「う〜ん、ちょっと熱いかな。兎に角、熱測ってみよう」