ラララ吉祥寺

「えっ、文子さんお母さんになるんですか?!」

「そうみたい」

「わぁ〜、凄いな。じゃ、結婚するの? えっと……、木島さんと」

「結婚はしないの。私は山本文子でいたいから」

「それって、今流行の夫婦別姓ってやつですか?」

「えっ、それって流行なの?」

「いや、なんかネットでトピに上がってたから」

「トピ?」

「トピックス。話題のネタ」

「そうなんだ」

「そういう時、生まれた子供は男の戸籍に入るんでしょ?」

「えっ、そうなの?」

「いや、違うパターンもあるかもしれないけど」

「そうすると、子供と私は姓が違っちゃうよね」

「でも、母親の戸籍に子が入ると、父親がのけものみたいだよ」

「そっかぁ〜 産むのは間違いなく女である母だものね」

「認知するとか、他にも方法はあるのかもしれないけど」

「拓馬君、詳しいね」

「ただの耳かじりです」

拓馬くんの話を聞いて、私と同じように悩んでいる人が結構いるんだって、ちょっと安心した。
< 330 / 355 >

この作品をシェア

pagetop