ラララ吉祥寺
それから、家賃の振込み口座を交換し、トイレ、洗面、風呂、洗濯機の使い方を粗方説明した。
普段の朝食は7時。
昼食は基本外食。
夕食のスケジュールはカレンダーを使ってひと月毎に確認することにした。
月一の棚卸しと土日は売上げ集計作業に時間がかかるので夕食はパス。
彼女の月8日の休みは申告制だそうで、決まり次第カレンダーに記入することにした。
平日の夜、彼女の休み以外はわたしの担当で、八時過ぎに帰宅する彼女の夕食を用意すること。
彼女の休日は、彼女が料理の腕を奮ってくれるということに話は纏まった。
食事は500円の材料費を払って、一食毎に精算する。
米とか常備菜、じゃが芋、人参、玉葱は纏め買いして折半とする。
とりあえず一月、この方法で試してみようということになった。
「じゃ、お休みなさい」
「あの……、布団貸しましょうか? もしかして、あの寝袋で寝るつもりですか?」
わたしは先ほど目にしたキャリーバックの上の寝袋を思い描き彼女に尋ねた。板の間に寝袋じゃ寝にくいだろうな、と。
「お気持ちは嬉しいのですが、寝袋、結構気に入ってるんです。家出気分とでもいいましょうか。
今度の休みに、色々揃えるつもりだし。
それまでなんとかこのままで頑張ります。
なので、気にしないでください」
洗面借りますね、と彼女は居間を出て行った。