ラララ吉祥寺
二人目:木島龍之介
初日は怖がって姿を現さなかった家猫の小次郎も、二日もすると彼女に慣れた。
もともと彼は、臆病で人懐こいのだ。
素性も左膳と違い、はっきりしている。
母の知人の家で飼っていたヒマラヤンが、ちょっと目を離した隙に野良猫とかかって産んだ子なのだ。
血統書の付かない雑種の彼を、母が産まれて三週間目に貰い受けてきた。
可愛かったな。あの頃の小次郎。小さくてフワフワして。
左膳の荒々しさに恐れをなしたのか、外に出ることを極端に嫌い、すっかり家猫と化してしまった彼。
高貴な血を引く彼は、毛並みはトラだが毛足も長く艶もあり、姿形が美しい。
気位が高いのが玉にキズだけど。