ラララ吉祥寺
「で、文子さんはわたしの承諾を得てどうするおつもりなんですか?」
彼女はわたしの話を聞くなり、あからさまに怪訝そうな顔をして見せた。
「えっ、っていうか、芽衣さんはどう思う?」
「どう思うも思わないも、もともと文子さんはこの家の二部屋に下宿人を入れるつもりでいたのでしょう?
それはわたしも承知のことですし、わたしの承諾を得る必要なんて無いと思いますよ。
そもそも会ってみないと話は前に進まないんじゃありませんか?
わたしの時は速攻で返事がきたのに、文子さんらしくありませんよ」
花岡芽衣はそう言うと、荷物を置きに部屋と上がっていってしまった。
彼女の言うことはいちいち尤もだ。
確かにわたしらしくない。
この半日のイライラを思って溜息をついた。