ラララ吉祥寺

今朝は古紙回収の日じゃないし、とそのトラックに目をやった。

どうやらその車はこの場所を動く気はないらしい。

程なく、車から人が降りてきた。

我が家の門の前に立ちはだかったのは、年の頃、三十半ばの大男。

まあ、軽く百八十センチはありそうだ。

目を見張ったのはそれだけじゃない。

わたしと芽衣さんは揃って目を丸くして彼を見つめた。

何故って、彼の肩には龍の頭が乗っていたのだ。

それは彼の服の背中から前身ごろにかけて刺繍された、目も覚めるような緑の龍だった。


彼がdragonに違いない!


わたしは咄嗟、そう確信した。
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