ラララ吉祥寺
そんなこんなで、わたし達は今、こうして居間のテーブルで向かい合い、細かい取り決めを話し合っているところ。
「家賃は光熱費込みで六万、毎月25日までにこの口座に振り込むと。
で、食事は一食五百円の負担で、米、その他常備菜は実費と。
掃除は自室だけで良いんですか?
それじゃ悪いなぁ。
月一でも僕、家周りの片付けとか修繕とか引き受けますよ。
古物商って言っても、所詮は古道具屋なんで、修繕修理はお手のモノですから。
店は土日休業なんですが、その日に仕入れに行くことも多くて、休みは実際不定期なんです。
僕の食事当番の日が定まらないのがなんとも申し訳ないなぁ。
あ、でも時間ある時、常備菜に煮物とか漬物とか作りますよ。ばあちゃん仕込なんで、味は田舎風ですけど。
それと、風呂は原則一番最後でいいです。どうせ湯には浸かりませんし。
何せこの身体でしょ、ユニットバスじゃ正直きついんです。
気が向いたら銭湯でも入って足伸ばしてゆっくり浸かってきますんでご心配なく」
木島龍之介は几帳面にメモを取りながら、すんなりわたし達の取り決めを納得し、更にいくつも自分なりの提案を付け加え生活のイメージを膨らませていった。
順応性の高さは認める。物腰の低さも相当なものだ。
免許証プラス古物商の登録証を確認させて貰ったが、プロフィールにも特に問題は無さそうだった。