ラララ吉祥寺
「文子さん、うちの店にも遊びに来てくれませんか?
それで、イメージ湧いたらお願いしたいんです。うちの店のスタンプカードのデザイン。
デザイン変わりで何種類か揃えて、ちょっとしたプレゼントとか考えてるんで。
これでもわたし、店長かつアドバイザーなんで、それ位の権限はあるんですよ」
文子さんのイラスト、うちの店のイメージにピッタリだと思うんです、と芽衣さんは付け加えた。
しがないイラスト描きだったわたしが、身内とはいえ、デザインの仕事を任される身になるなんて。
それでも元来の凝り性が頭をもたげて、前向きに取り組む自分が面白くもあった。
簡単なGIFアニメーションなら、手書きのイラストでも作れるし。
ゆくゆくは、コンピュータグラフィックなるものも使いこなしてみたいな、なんて野心も生まれてきたりして。
あぁ、まだわたしにもこんなエネルギーが残ってたんだなって。
人との関わりが、わたしに変化をもたらしていた。