†狼BOY×赤ずきんGIRL†
柚姫Side

『柚姫どこぉ〜?』

私はこんな声を聞きながら、体育館裏に隠れている。

一年前の事…………
また起こるんじゃないかって………
また私のせいで負けるんじゃないかって………


手足が震えて止まらない…私はこのまま出ないで代役の子が走った方がいいんじゃないかな?…………





『おい。サボり。』


横から声がした。
そこには、直哉がいた。


直哉は私の横でしゃがんだ。


『袴………汚れるよ…』



『いいんだよ。てか、そうさせたのは誰だよ』


『ごめん……』



『直哉はなんでここにいるの?』


『誰かさんがいないって皆が焦ってたから、きっとここだろうと思ってきた。』


『ごめん………私、出たくない……』




すると直哉は私を自分の胸に寄せた。


『なぁ〜に言ってんだよ。お前、自分がちゃんとしなきゃっとか思ってんじゃないだろな?』



私は直哉に抱き寄せられたドキドキからか、何も考えられなくなって

涙が溢れだした………


『泣くなよ。そんな怖がらなくていいから……』


私は直哉の腕を払い、立った。


『直哉みたいにここぞと言うときに、何でも出来る人には、私の気持ちは分かんないよ』



私は泣きながら言った。


最低だ…………
直哉は慰めてくれただけなのに………

言ってすぐ後悔した。



< 138 / 285 >

この作品をシェア

pagetop