†狼BOY×赤ずきんGIRL†
若菜Side

私は今、直哉くんと二人っきり。


なんか気まずい………

『あの……………あ、あした楽しみだね……』


何を言ったらいいのか分からなかったから、なんか適当に言ってみた。


『幸斗がなんでパンばっかなのか、教えてやろうか?俺は、あいつを一途らしくさせたあんたに賭けてみる事にするよ。』



直哉くん何言ってるの?
なんかあるの?

『知りたい……。幸くんの事なら何でも知りたい。』

『幸斗の家が金持ちなのは知ってるだろ?』


『うん。』


『あいつの親は、あいつがガキの頃からずっと海外に飛んでいたんだ。だから、家族旅行なんてあんまり行った事ないし………まぁ、日帰りで色々行ったりはしてたけど。んで、あいつは今、1人暮らしをしている。昔、小学生の時、あいつは“1人ぼっちは寂しい”って泣いたんだ………。それを知っているのは、俺と竜樹と旭だけだと思う。だから、あいつは弁当を入れてくれる人がいないんだよ………。あいつに、寂しい思いさせないでくれ………あいつは、寂しさを埋めるために色んな女を抱いた。』

あっ。最後のはヤバイか?
相沢が泣き出した。
やばっ!!!



『私、何も知らなかった……幸くんは辛いんだね………私!!明日からお弁当作る!!ありがとう、直哉くん。優しいね。教室戻ろうか!!』


『うん……優しくないよ……もうちょいゆっくりしてから戻る。』



『うん!!』



“優しい”っか………
俺は、あいつが泣く姿をもう見たくなかっただけ……

偽善者………






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