†狼BOY×赤ずきんGIRL†
柚姫Side
私は、ロビーのソファーに座っている。


直哉?
あなたは覚えていないよね?
あれは、一年前。
私は、体育祭のリレーに出た。私の番まで一番だったのに私は転けてしまい、うちのクラスは負けた。優勝も逃してしまった。皆は、表では“大丈夫”なんて言ってたけど、裏では私を罵っていた。でも私が裏庭で落ち込んでいる時に貴方は私の所に来た。
『人は失敗する生き物。君が全力を出したんならそれでいいんじゃない?まぁ、くだらない事言っているやつもいるけど気にしなくていいと思うよ?』といい、貴方はオレンジジュースをくれた。その後、貴方はクラスの子に呼ばれて行っちゃったよね?
でも、私はその日その時貴方に恋をした。
そして貴方に似合うようにずっと綺麗になるために頑張った。
貴方に振り向いてもらうため…………
でも、貴方がいつも見ているのは“天道 幸斗”だった。
辛かった。
でも、今貴方のそばにいられる………私はそれだけで嬉しいよ…………
一生貴方に振り向いてもらえなくても………


『おい。こんな所で何してんの?』


その声は私の大好きな声だった。




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